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猫麿の校正/ギター日記

仕事(校正業)、趣味のギターについての日記。

フリクションと商印校正

 エディタースクールでは、講師から「フリクションは禁止」と言われていた。理由は明快で、「鉛筆書きを消したときに一緒に消えてしまうかもしれないから」ということだった。

 ところが、現在仕事で使う赤ペンはほぼフリクションである。ゲルインキの赤ペンを使うのは、「フリクション禁止」と言われたとき(滅多にない)やこちらで消せないペンで書いた方がいいと判断したときだけである。むしろ、「赤字はフリクションでお願いします」と言われたときの方が多い。 

 なぜこういうことになるのか。その要因は恐らく、商印校正の仕事の流れにある。商印校正においては、商業印刷物(カタログ等)を作りたい会社が印刷会社等に編集を発注し、更に印刷会社等の発注で制作会社が組版を行い校正会社が校正を行うというのが大まかな仕事の流れである。つまり、校正者が入れた赤字は、まず印刷会社等の編集担当者(ディレクター)によって妥当かを判断されるのだ。もし妥当ではない赤字があれば、それは消してから先方に提出する必要がある。これこそが、商印校正ではフリクションを使うことが多い理由だ。

 そもそも商印校正では、赤字より鉛筆でギモン出しをすることの方が多い。明らかな誤字脱字でも、原稿通りならギモン出し。時には赤字は一切禁止という現場もある。「お客様(=商業印刷物を作りたい会社)が絶対なので、原稿通りならお客様の了解なしに勝手に赤字を入れて修正してはいけない」というのが、商印校正の基本的なルールなのである。

 

※商印校正の仕事は多種多様なので、「誤字脱字があれば(原稿通りでも)積極的に赤字を入れてほしい」という現場もある。いずれにせよ、クライアントの指示や要望、ハウスルール等に従うのが肝要である。